はじめまして。
この度、仙台白百合女子大人間学部、心理福祉学科に着任させていただく高田洋平です。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
僕はいま、引っ越しでモノが乱雑に溢れかえる兵庫県西宮市の自宅でこれを書いています。
慌ただしい日々ですが、この記事を書きだして「ああ、数日後には本当に仙台にいくのだな」「そこで新しく学生やほかの先生と出会うのだな」という実感がわき、希望で胸が満たされるのを感じます。
これを読んでいるみなさんはどうでしょうか。コロナ、そして最近の地震で必ずしも希望ばかりではない、どこか落ち着かない春を過ごされている方も多いかもしれない、と想像しています。
僕はこれまで南アジア・ネパールのストリート・チルドレンのことが気になり、探求してきました。ストリート・チルドレン、ご存知でしょうか。貧困や家庭の問題などで、ストリート(路上)で生きる子どもたちのことですね。彼らのことを探求することになったのは、大学生のころです。ふと「親と離れて子どもがストリートで生きるってどういうことだろう」と思ったことがきっかけです。その問いにとりつかれ、ゼミで学び、ネパールで一年間、ストリート・チルドレン施設でボランティアをしてみようと思いました。そして一年間バイトで貯めたお金を握り、大学を休学してネパールで活動しました。そこでまた出会いがあり、大学院に進むことになって、いつの間にか15年近くが経ち、今、こうして教員としてみなさんと出会おうとしています。
ふりかえると、大学時代に浮かんだたったひとつの問いが、ここまでの僕の人生をかたち作ってきました。まあ正直にいうと実際はそれほどかっこいいものではなく、その過程ではたくさんの苦しみを経験しましたが(苦笑)、それでも大学時代のひとつの問いが人生をかたちづくる、ということはありえると思います。
そのときの自分には将来それがどのようにつながるかわからなかったとしても、大学生の頃にたくさんの人に出会い、問いをみつけ探求する経験は、正解のない世界を生きるうえでみなさんを支える大きな力になっていくと思います。だからこそ、ぜひ大学時代に出発点となる「問い」に出会ってほしいなと思います。そして僕はその小さな問いを展開させていくような関わりができるよう励みます。
僕の専門は国際福祉、文化人類学・南アジア地域研究です。みなさんの問いを大切にしつつ、文化人類学的な視点をまじえながら、グローバルな福祉についてみなさんと考えていけたら嬉しいです。
世界はまごうことなき混沌のなかにありますが、このようなときにこそ、学問は力を発揮するように思います。みなさんとともに学びに集中したいと思っています。
ちなみに趣味は、フルコンタクト空手(2年前の関西の大会で一回戦負けする実力の持ち主です)、日帰り温泉の旅、ロードバイクです。ロードバイクでは真冬に自宅の西宮から勤務地の名古屋まで160キロをひとり12時間で走破しました。「もうこんな愚かな真似は二度としない」と100キロを超えたあたり、山のなかで心に決めました。
これまで実家、大学は関東、大学院生の頃は京都、その後は神戸で過ごし、仙台にご縁をいただくのはこれが初めてですが、さっそく、定禅寺通りの美しさに惚れました(その周辺に住むことにしました)。仙台で皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。
みなさんと学問を通して学びあえる日を本当に楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いします。
左の写真は、前職場でゼミの様子
右の写真は、ネパールでの活動写真
高田洋平