こんにちは、教員の高田です。
4月27日にフードバンク仙台などが主催する「いのちと暮らし なんでも相談会」にゼミ活動の一環としてゼミ生3名とボランティアに参加しました。
主催のフードバンク仙台、仙台POSSEは数年前に私が来仙して以来、何かとご縁を頂いている団体で、地域課題、社会問題にアプローチする際に大学生などの若者を巻き込みながら活動することにひとつの特徴があります。
この日も東北大や東北学院大、東北福祉大学など多くの在仙他大学の学生ボランティアが参加していました。
ボランティアではおもに来場した生活困窮者の方に対しての「食料配布」と「相談対応」という2つの作業を行いました。3年生になったばかりのゼミ生は慣れない現場に最初は目が点でしたがそれでも、他大学の学生ボランティアとコミュニケーションをとったり、食料配布の際にはしっかりとした説明をしたりするなどして積極的に参加しました。
特に感動した場面。それは生活困窮者との相談面接の場面です。その場では生活困窮者の方がお話しくださる内容、つまり相談内容をシートに記録する役割が必要なのですが、ゼミ生の一人(新3年生、Kさん)がその役を実際に行いました。
もう「自分、涙いいっすか?笑」という感じでした。やってみようという姿勢に感銘を受けました。ソーシャルワークを学んできたとはいえ、実際に生活困窮者の方を目の前にするのは生まれて初めての経験のはず。一緒に相談を受けているまわりのスタッフの眼もあります。責任もありますから「うまくやれるかどうか」など考えだせば身動きが取れなくなる場面。それでもKさんは引き受けて長時間、記録を続けました。
終了後、「記録係について緊張や恐怖はなかったの?」と聞くと
「他大学の初参加学生がやらなかったのでやってみようかな、と」
と少し照れつつ答えてくれました。
そうそう、そういう気持ちって大事ですよね。少しぞわぞわするところ、不安を感じるところ、そういう感覚になるところに臆さず飛び込んでみる、まずはやってみる。そこから考える。そこに学びや成長の種があると思います。
バイト先、親しい友人、家族など自分が居心地の良い心的なゾーンを「コンフォート・ゾーン」といいます。それ自体は心の安定に重要なのだけど学びや成長をもたらすゾーン(ラーニング・ゾーン)は、実はその外側に広がっているとされています。そこはコンフォートゾーンほど快適ではないので不安やざわついた気持ち、居心地の悪さを感じます。しかしそうした場所でしか学びや成長はもたらされにくい、と言われています。
今回、Kさんは間違いなくラーニングゾーンに飛び出しました。この一歩は大きいと思います。
ラーニングゾーンに飛び出したのはもちろんKさんだけではありません。ゼミ生Mさん、Uさんも大学外のこういう現場に出てくる時点ですでにそのゾーンにいると言えます。実際、戸惑いながらも面接に同席したり、自分の役割をみつけ食料配布の際には持ち場について丁寧に説明したりするなど積極的に参加していました。
一方でMさんは「東北大生の意見や挨拶がすご過ぎて・・」「〇〇さんも1年生、初参加とは全く思えないくらいしっかりしていた・・」と戸惑いを感じたようですがそれがいいんです!それを感じること自体がラーニングゾーンにいる証左ですから。
それでも戸惑うMさんに対して私は「空手でもね、年下の黒帯から教えを受ける(&ボコボコにされる)ことがあるよ!だから年齢や学年、学歴も大事だけどそこで自分と比較せず、目の前の他者から何か吸収できることはないかという視点で見たらいいんやないかな?」とわかりやすいようでわかりにくい例えで励ましておきました。苦笑
とにかく恐れずに経験すること!ラーニングゾーンに飛び出ていくことが大切だと思いました。