私は5月15日から26日までの2週間、母校である青森県立三本木高校に教育実習に行ってきました。実習に行く前は、生徒たちと上手くコミュニケーションが取れるのか、担当科目である倫理を生徒にしっかり教えることができるのかとても不安でした。特に授業に関しては、担当する学年が3年生だったこともあり、間違ったことを教えてはいけないというプレッシャーや受験生の大事な時期に実習生が授業をすることの申し訳なさでいっぱいでした。
実習を経験して、教師の仕事は本当に忙しい仕事であることを実感しました。学校にいる間はもちろん、学校に行く前も家に帰ってからも、授業の準備などやらなければならないことがたくさんあり、あっという間に時間が過ぎていきました。でも不思議なことに、私はその生活が苦痛だとは感じませんでした。なぜなら、大変さ以上に楽しさややりがいを感じることが多かったからです。授業を担当した3年生の生徒たちは、関心を持って授業に参加してくれました。感想を聞いた際には、「わかりやすかった」、「次の授業も楽しみ」という嬉しい言葉をもらいました。朝と帰りのHRを担当した1年生の生徒たちとは楽しく話ができて、こちらが元気をもらうことが多かったです。先生方の支えはもちろんですが、生徒たちの優しさのおかげで2週間を無事に乗り越えられたのだと思います。
数名の先生から「生徒はまじめに話を聞いている様で実は聞いていないことがある」と、人に話(情報・連絡も含む)を伝えることの難しさを教えていただきました。その難しさは実習中のHRや授業を通して何度も実感させられました。ですが、授業の最後に生徒に書いてもらった感想や、最終日に生徒たちからいただいた色紙のなかに、私の話した内容が書かれているのを見たとき、短い期間の中でも生徒たちの記憶の中に私の話が残っていたこと、つまりきちんと話を聞いてもらえていたことがわかって本当に嬉しかったです。これからの生活でも人に話を聞いてもらう場面はあると思うので、実習の経験を生かしていきたいです。
最近テレビでもよく取り上げられていますが、教師は本当に大変な仕事だと思います。実習先の先生方も常に忙しそうで、朝早くから夜遅くまで生徒のために働いていました。でも今教師をやっている人が辞めない理由、教師になろうとする人が0人にならない理由がわかった気がします。それは自分の好きな科目を教えることの楽しさもあると思いますが、それだけでなく、生徒の成長を身近に感じながらたくさんの元気をもらえるからだと考えました。私は教師の本当の大変さや厳しさは知らないだけかもしれませんが、「教師になりたい!」と思うくらい教師の魅力を体験することができました。これまで教員免許の資格取得を目指して諦めずにやってきて本当によかったです。実習の経験を忘れず自分の糧にして、これからさらに成長できるように頑張っていきたいです。
4年 蛯名 愛美