こんにちは。教員の高田洋平です。暑いですね!とはいってもそれは関西の灼熱とは違う、優しい暑さ。
「夕方になるとちゃんと涼しくなる感じは、一昔前の日本の夏みたいだね」などとパートナーと話しながら、仙台の夏を満喫しています。
さて皆さん、オープンキャンパスには来られましたか。実は、今年のオープンキャンパスの教室の一角に、先生がたのご厚意で、私の専門である「国際福祉論」コーナーを作っていただきました。そこで私が関わってきたネパールのストリート・チルドレンの写真と説明を展示しました。
猛烈に国際福祉を盛り上げたい私にとって、チャンス!しかし、私自身、初めての試みだったこともあって「このような展示でどれだけの人が感じ取ってくれるだろう」、「正直、難しいかな」と思っていました。
ところがどっこい(古い!?)そこでとても嬉しいことがありました!!
展示のそばで立っていると、そこにやってきたのは6月の1回目のオープンキャンパスに参加し、ストリート・チルドレンの説明を聞いてくれていた高校生。二回目の来訪に、私は嬉しくて「おー!また来てくれたんか!(来てくれたのですね)」と声をかけました。もともと、心理系に関心があって来てくれたその高校生、聞くと前回、ストリート・チルドレンの展示と説明を聞いて、国際福祉に興味をもった、というお話でした。隣にいた保護者の方によると「家に帰ってからも娘がストリート・チルドレンのことを話していた」とのこと。
これを聞いて、わたくし大号泣(心の中で)。いや半分は大げさですけど半分は本当です。とても嬉しかったです。そして少し説明しただけなのに、たくさんのことを感じ取ってくれたその力。高校生ならでは、の感受性、吸収力に改めて感動しました。
前回のブログで出逢い、ということを書きましたが、まさに伝えたかったのはこういうことです。同じ展示を見ても、ふーんと、思っただけの人がほとんどかもしれません(それはそれで良い)。けれど短い時間でも、こうやって何かを感じとるということ、少しでも関心を持つということ、それがなんとなく気になってしまうということ。感じ取る力。それこそ大学生(や高校生)の特権であり、彼/彼女らが、一週間で別人になる人たち、といわれる所以なのだと思います。
一人でいいのです。他の人がみんな気にならなくてもいいのです。他ならぬ「わたし」が少しでも気になったこと、それ自体が人生の宝になります。今回の高校生さんも、今後、国際福祉を探求するかわかりませんし、そもそも入学してくれるかもわかりません。それでもいいのです。例えばオープンキャンパスでちょっと立ち見した展示が気になって、という出来事。何かにつながるかもわからないし、何にもつながらないかもしれないが、外にでてそれに触れること。そういう意外でちょっとした、しかし後ろから振り返ると、意味をもっているようにみえるような出逢いが、人生を形づくっていきます。
そういう出逢いは、あらゆるところにありますが、若い頃にしか出逢えないものもあります(若い頃の感受性なしには、出逢っていても気がつかない、といった方が良いかもしれません)。
今回は、その高校生にとって何かの出逢いになったかもしれないなあと思うと、なんともいえない嬉しい気持ちになりました。
たかが展示、されど展示。皆さんも身の回りのことにアンテナをはって過ごしてみてください。
見過ごすにはもったいない、自分の人生を変化させる何かが、近くに転がっているかもしれません。