11月30日(土)、精神保健福祉援助実習の報告会を開催しました。これは、夏休み期間を利用して、精神保健福祉士の国家試験受験資格を得るための実習を行ってきた4年生が、その実習中に得た”気づき”をまとめ報告するものです。
実習は、医療機関で90時間、障害者福祉サービス事業所で120時間行います。日数は、併せて30日間となります。
本年度は、9名の学生が実習を行いました。精神科医療機関7ヶ所、障害福祉サービス事業所8ヶ所です。1施設に2名の学生が同時期であったり、時期をずらしたりして行くこともありますが、基本的には一人1施設というような形です。
学生たちは、3年生の後期から実習計画書を作成しています。最初は、”施設に慣れる”であるとか、”利用者の方とコミュニケーションを取る”などと計画しますが、実際は実習初日に実習先を飛び出して利用者さんの自宅を訪問するなどというハプニングなどにも遭遇したりします。臨床の場では、学生のキャパシティを超えるような出来事もしばしば経験したりもします。それでも、”これも臨床ならではの経験”と思って、いろいろな体験を積み重ねていきます。
実習が終わると、報告書の作成に取りかかります。実習中に”何を感じたのか”、”考えさせられたのか”、”課題は何か”などなど多くの学びから、特に必要だと思われることをピックアップして文章化します(報告書を作成していますので、オープンキャンパスなどにお出での際に、手に取ってご覧ください)。そして、休む暇もなく今度はその内容をスライドに起こします。一人20分の時間が割り当てられ、スライド枚数は40枚近くになります。
今年のテーマの一部を紹介すると。ソーシャルワーカーと利用者の関係を考察したもの、自己覚知について言及したもの、事業所の役割や現在の精神保健福祉分野について考察したものなど、多岐にわたります。
報告会には実習指導者の方、将来精神保健福祉士を目指す下級生が参加をし、4年生の発表を真剣に聞いています。4年生ともなると、原稿を見て話す者はいません。下級生等はその姿を見て次年度の自分と重ね合わせます。そして4年生の発表が終わると、担当した指導者の方から評価のコメントをいただきます。
学生は当時を思い起こし、指導者からのコメントをもう一度噛みしめ心に留めます(一方で少しだけホッともします)。これまでの様々なアドバイスを受けながら、残りの授業の中で再度自分自身の学びを整理していきます。
実習担当教員:毎年思うことなのですが、実習後には学生の表情から自信を感じます。あと数ヶ月後には、臨床の場に向かうことになるでしょう。その時には、是非、今回の学びを思い起こし、精神障害者の権利擁護や生活支援をしていってもらいたいと願います。