この夏は、なんと言っても、仙台育英学園高校が夏の甲子園で悲願の東北勢の初優勝してくれたおかげで、宮城県民のみならず、東北の皆さんも胸が熱くなったのではないでしょうか。
かくいう私も、例年はそれほど高校野球観戦には熱心ではありませんが、今年はテレビ等で仙台育英学園高校の勝負の行方を確認し、一喜一憂したものでした。優勝の瞬間には、歴史の目撃者になったのだと、嬉し涙を抑えることができませんでした。
そんな甲子園での熱い戦いが繰り広げられる中、本学科の4年生の精神保健福祉士の資格取得を目指す学生も、それぞれの実習先で奮闘していました。
精神保健福祉士は、精神障害のある方の相談支援を担う専門職ですが、医療機関や地域の相談機関で配置されています。学生たちは、希望する実習先2ヶ所(医療機関と障害福祉サービス事業所等)で約1ヶ月実習を行い、ソーシャルワーカーとしての実践力を身につけていきます。
今年は宮城県内以外にも、岩手県、秋田県、福島県でも実習を行いました。新型コロナウィルス感染症の拡大によって、医療機関では中止や延期もありましたが、障害福祉サービス事業所等では実習が無事に行われています。
このblogがアップされる頃は、中盤に差し掛かっている時期なので、実習生はより専門的な業務を経験し、患者さんや利用者さんの困り感と抱えている課題、ソーシャルワーカーが患者さんや利用者さんにとって、どんな役割を果たすのか、支援の流れと意義等について理解を深めていることでしょう。
私は秋田県の相談支援事業所に巡回指導で伺いましたが、地域の文化や伝統を踏まえた生活支援の大切さを改めて感じました。利用者さんは生まれも育ちも秋田県という方が多く、秋田県特有の文化や伝統、慣習の中で育まれました。支援者が支援を行う際に成育歴のみならず、どのような環境が影響を与えたのかを知ることは重要なことです。実習生も地元の学生なので、秋田の伝統や文化を知っているつもりでいたものの、実際支援場面で伝統や文化、慣習をどう理解するかという点については、学びが大きかったようです。緊張もあったようですが、それを上回る楽しさ、面白さを感じることができたと話していました。
秋田県には巡回で二度訪問しましたが、訪問するたびに実習生の成長が見られ、仙台育英学園高校にも匹敵する頑張りを間近に感じられた、もう一つの夏でした。
教員 志水田鶴子