「心理実習」は、公認心理師養成課程の重要科目の1つです。
その現場実習がつい先日終わり、今週は、ふり返りと9月に予定している実習の報告会と報告書の作成について、確認を行いました。
本学の「心理実習」の履修にたどり着くまで、多少のルールがあり、一定の成績水準や単位数を満たしていること、15名が履修上限であることなどがあります。「心理実習」は、3年後期から4年前期にわたり開講されており、事前学習→実習(通所や見学)→事後学習という流れで、80時間以上を超えて、学習します。
実習を終えたばかりの学生さんたちにブログ執筆は、負担だろうというのと・・・
ざっくばらんな声を引き出したいと思ったことから、教員とふりかえりを語ったものを記事にいたします。
実習を終えての感想
Aさん
3年の後期から1年を通して、4領域5施設の実習に行って、私は心理職の役割を把握することを課題にしていたんですが、
それぞれの職場(実習先)で担う役割に共通点もあれば、全然違うことが、非常に学びになりました。
実習に入ると、その現場や内容についていくので、必死だったことを思い出します。
4年になって医療機関と児童相談所に行って、既に3ヶ所の実習を体験していたので、
少し気持ちに余裕が出てきたような感覚があって、やっと他の職場(実習先)との比較をできるようになってきて、
「こういうところは同じ」とか「ここは少し枠組みが違う」という形で俯瞰して見れるようになったのがわかりました。
Bさん
実習に行ったからこそわかる心理職の役割と、実習施設ごとの違いや共通点を本当に認識できるようになったと思います。
Aさん・Bさん
・・・色々な理由で、途中仲間が消えて行ったのは、ちょっと寂しい気もありましたね・・・
・・・と率直なコメントがありました。
教員サイドからみて、心理コースの選択、公認心理師養成課程科目の選択、心理演習Ⅰ・Ⅱ、心理実習と学んでいく過程で、例年人数が減っていきます。
それは、自分の進路選択で大切にしたいことが明確になったこと、
様々な負担と自分の体調面や適性など、時間をかけて真剣に考えて、取りやめるというパターンが大半だと思われます。
夢をつかみに行くのは簡単ではないでしょうが、実際に専門的な科目や心理演習を学び、積極的に関与したからこそ、
身をもってわかる答えにたどり着いたのですから、前向きに自分の歩む道を肯定して進んでもらいたいと思っています。
・・・でも、寂しいのは、寂しいですよね。

実習先に行ったからこそ見えたこと
→1人では何も支援できないこと・他の専門職へのリスペクト
Aさん
心理職がいない現場にも行きましたが、その時「自分がここで働く心理職だったら・・・」と想像したこともありました。
でも、1人では何もできないというのがすぐにわかりました。
精神保健福祉士の方をはじめとするケースワーカーさん、保育園教諭の方々、栄養士さん、作業療法士さん、理学療法士さんなど、他にもたくさんの専門性を持つ方の力や関わりがあって、皆さんがいないと成り立たないということを
現場に身を置くことで、より肌感覚で感じることができました。
実習では、利用者の方々や他のスタッフから心理職に対するニーズを理解するということで実習にも行き、
事前学習でも、主に心理職の勉強しかしてこなかったし、他の専門職の方もいらっしゃることはわかっても、
現場に身を置くことで、他の専門職や職員の方々の役割や専門性が見えて、
曖昧な理解やイメージが鮮やかに変わっていくのを実感しました。
解像度が上がると言っては違うかもしれませんが、そのくらいはっきりわかって、
他の職種の方に対して尊敬の念と、専門性は何かということに関心が湧くようになりました。
Bさん
私も、心理職の視点だけでは、その現場は回っていかないと思いました。
他の職種の人がいるからできる支援が色々あることは、実習先に行って学んだことです。

特に勉強になったこと、忘れられない学び
Aさん
それから、もとから関心がある領域と、実習に行って勉強になった領域が全然違いました。
認定こども園で園長先生が「集団の中の個別支援」という言葉が非常に印象的でした。
つまり、大人の手があれば、過ごしやすくなるというのを目の当たりにして、
集団の中で培っていくその子の力より、それ以前の関わりで個別支援を担うことの重要性がわかって、
それを「心理職の人に担っていただきたい」と言われて、その言葉や学びが心に響きました。
同じ実習先でも、入っていく教室や場所が違うと、雰囲気や状況が全然違っているし、
違う地域に同じような実習先の現場があっても、雰囲気が全然違うことに驚かされることがあって、
「えっ?!」ということもありました。
それから、ある時にたてた実習計画や目標が、その時に達成できなくて、
別の実習先で、「あれ?この目標が達成されたんじゃないか」と思うこともあって・・・(苦笑)。
Bさん
認定こども園では、子どもの声掛けを見てきたんですが、 具体的に心理職として子どもと関わる際に活かせる点が本当にいっぱいありました。
一番印象に残っているのが、医療機関での実習で、認知症の人と話したり、関わった機会で、
心理職として、利用者様の関わり方や意識について、特にその人の一生の一部に関わっているんだという感覚で、
本人やご家族に丁寧に接することが重要だということを学べたことです。
初診の方の相談場面に陪席する機会がありましたが、認知症の重度の方が転院されてきて、ここに来るまでの経緯をうかがう中で、本当に色々な境遇の人がいて、色々な一生があるものだし、認知症の重度の方の状態像を知ることができて、忘れられないくらいの体験と学びでした。

自分の周りにこういう施設があったら・・・
Aさん
心理実習という見方ではないんですが、実習で行った教育支援センターのような個別の行き届いた支援があるようなところが、自分が利用できる年齢の時にあれば、よかったのに・・・と思いました。そういう存在自体を知らなかったです。
Bさん
そういう施設の存在自体、よく知らなかったよね・・・。
Aさん
そこでは、個別対応から少しずつ個別の輪を広げて理解する関わりをしていて、自然に接することができるきっかけづくりを職員の方がされていました。実際に、個別同士が話しやすいように、誘ったり、話しかけたり、ちょっとずつきっかけづくりをするのが支援だったということがあって。
心理実習を履修する後輩や目指そうとする人へ
Bさん
心理実習までやり抜くためには、それなりの信念が必要だと思います。
実習に行っても「勉強させてもらう」という価値は、本当に体験して見なければ得られなくて、それは何物にも代えがたいと思います。
苦労はすると思いますが、苦労するだけの価値があると思います。本当にやってみないとわからないのが実習だと思います。
Aさん
私も、心理実習をやり抜くためには、やり抜く意地じゃないですけれど、意志を曲げずに頑張る気持ちを失わないことが大事だと思います。
実習という理由がなければ、行けない現場や施設があるし、見られないものや場所、利用者の方とお目にかかる機会がありました。例えば、病院には患者として行けると思いますが、実習ですと、支援をしている側の目線で現場にお邪魔して、積み重なっている支援がどうなのかを見させていただく機会に恵まれるのが非常に大きいと思います。
そこに価値を感じるかということもあると思います。
Aさん・Bさん
講義のレポートと、実習の事前学習とか書類を整える時期が重なると、きつかったよね・・・。それ以外はまだ・・・何とか・・・。
ということでした。

実習報告会は、9月17日(水)2限 10:40~12:10 521教室で実施します。
関心のある方、もう少し立ち入った話をAさん、Bさんから聞きたい方は是非ご参加くださいませ。
