学科教員中嶋です。
今日は、私が担当している2年後期に行われている心理学研究法Aという科目の一部を紹介します。
心理学は、心を科学的に捉える学問ですが、心はどこにあるかは特定できないし、見えにくいので、
どう心を取り出すか、見えるようにするかが大切になります。
その方法としては、観察法(観察する)、調査法(アンケートする)、面接法(インタビューする)、
実験法(何らかの条件設定をして、条件間の反応の変化や時間経過による反応の変化を見る)
という4つの方法が挙げられます。
この授業は観察法と実験法を取り上げたものです。
心理学の基本は、心を「理解する」ことから始まり、理解があってこそ、
次に何が起こりそうか、予想したり、よからぬことが起こらぬよう、対応できることにつながります。
その理解をするためには、「観察する」ことが日頃、行われているもので、
観察されたデータが重なって、多くの学問の知識になっています。
ここでは、観察法を実践的に学ぶ学生の様子について、とりあげます。
観察法にも、いくつか方法はありますが、まず初歩的な方法として、
皆さんの生活の一部について自分で日誌を書く課題から学んだり、コントを見て観察もしました。
観察は、無意識にしているようで、意図的に「ここを観察する」という視点がないと、
なかなか気に留めず、覚えていられないものです。
また、日誌をつけるのは、それなりに負担が伴うことも、学んでいただきました。
それから、時間見本法という観察時間、記録時間を決めて、交互に繰り返す方法も体験しました。
お尋ねするのも、答えるのも、それを観察するのも楽しい質問を取り入れた
インタビュー場面で観察しました。
どういう質問だったかは、受講した学生さんに聴くか、この授業を履修してのお楽しみです。
回答が楽しくても、難しくても、表情が変わり、ジェスチャーも変わります。
学生さんたちが楽しんでやっていたので、非常に盛り上がり、笑いが突然あちこちで起こる演習でした。
後で、他の学生に「話している時、こんなしぐさ結構していたよ」と知らされ、
「えー、そうなの??」と気づかされた人もいました。
他には、皆さんの表情が変わりやすく、かつ取り組みも楽しく取り組む観察ができるように
色々なおもちゃを用意し、「遊び」場面で2つの観察法を学びました。
1つ目の方法では、観察をする人と、遊ぶ人に分かれて、
遊びがどのように始まり、どのような成り行きが見られるかを観察する方法、
2つ目は、自分たちも遊びの仲間に入りながら、自分の様子や他人の様子を観察する参加観察法です。
ついつい、本気になって観察を忘れてしまう人も結構おり、教室は非常に賑やか。
授業後に、隣の教室の授業をしていた学生さんが「盛り上がっていたねぇ~」とやって来たり、
隣の部屋で授業をしていたK子先生に後で聞いてみると
「何かやってたの~?盛り上がった声聞こえていたよ~」(笑)という感じでした。
まずは、その様子の画像です。まずはご覧ください・・・。
皆さんは、これらの場面のどこに注目して、何を記録に書きますか?
「一人一人の目線や動作をどのように推察して、言語化するか?」というのが非常に難しいのです。
ある人がどんな目線で見つめるのか?
自分の順番で何かをしないといけない時に、どのようにその状況と向き合っているか?
その時々の表情や反応は?ということ等に注目することを心と体に叩き込むのも大変、
どのように言葉にしたら、的確に表現できるようになるのも大変で、
心理学に限ったことでもなく、この先の実習や仕事でも、この学びは幾度もなく出てきます。
でも、画像を何枚も見ていると、
「まぁ、そんなお堅いことは言わずに、みんな楽しそうではないですか!」と思わされます。
こんなグループもありました。
完成したのは、こちらです。短時間に協力して出来上がりました!
ジェンガで遊ぶ場面でも、色々な様子が観察されました。
ツイスターで遊ぶ様子です。
盛り上がってくると、こんなふうに無茶苦茶になってきます(でも、面白い!)
この場面をどのように記述して、記録に残すかも、結構難しいものです。
この後、さらに白熱して、大笑いや「ちょっと!ちょっと!」みたいな声もありました(笑)。
イタイイタイワニーでも、色々な表情がみられました。
ジェンガの緊張の一瞬も、みんながどんな気持ちで見守っているかを推察して記録するのも、一人一人の表情や様子が違うものです。
今回は遊びの場面を取り上げましたが、
日常的に起きていることを、写真のようにどう場面を切り取るかから始まり、
それには、学問的に見て専門的な視点や個人の心の琴線に触れたかも大きく左右し、
合理的かつ的確になっていきます。
「千里の道も一歩より」「量質転化」という言葉のように、場数と経験を踏み、
指導を受けないと伸びていかないものです。
今回のこの演習だけでは、身につかないと思いますが、この先も頑張って勉強しよう!
私もみんなの素の様子や笑顔がたくさん見られる機会となって、よかったです!