ブログを読んで下さっている方は、どこの大学にするかは別にして、心理や福祉に興味のある方だと思います。大学ではどんなことを学び、活動するのかは大学を選択する上ではとても重要なことですね。4年間は長いようで短いものです。一生懸命過ごしても、無為に過ごしても、同じように時間は過ぎていきます。大学をどこにしようかと考えるのと同時に、自分は4年後どんな自分になっていたのかを考えてみましょう。その参考になればと、ゼミ活動の一端についてご紹介いたします。
私のゼミでは“社会福祉”というキーワードは共通していますが、取り組む内容は多様で、学生の関心によって研究チームと地域実践活動チームを分けて活動しています。
研究チームは文献研究を行います。研究チームは2人ですが、精神疾患である「うつ病」に対する適切な関わりに関する研究をしていたり、障害者の就労支援として、日本の伝統工芸を活用した取り組みが各地にありますが、伝統工芸をキーワードに障害者の就労支援を研究しています。
地域実践活動チームは9名いますが、6名は泉区の将監団地の地域住民の皆さんが行う地域活動に参加し、4年間地域支援を行ってきました。本学科は原則として1年生と2年生は持ち上がりの基礎的なゼミ活動を行いますが、この6名は、1年次から継続して地域活動に携わってきました。泉区の将監団地を皮切りに、鶴ヶ丘や他の泉区の町内会活動にも参加し、大学生が地域住民の活動に参加をし、地域の活性化に果たす役割について学びながら、地域づくりについて学んでいます。
地域実践活動チームの3名は、他県の地域住民が行う地域づくりについて研究しています。秋田県の湯沢市にある岩崎地区で行われた地域づくりに実際に参加しました。岩崎地区は昭和40年代から地域づくりに取り組むなど、全国的にも有名な地域です。1泊2日地域住民と活動を共にし、地域づくりの実際を学びました。また地域実践活動チームは、2月に福島県大沼郡昭和村に、2泊3日でゼミ合宿を行いました。昭和村は高齢化率が約6割、2メートルの積雪があり、ある意味では日本の先進地域です。高齢化率が高い地域で暮らす地域に出向き、そば打ちや餅料理を作るお手伝いをしながら、地域住民とともに過ごす中で、将来の日本に訪れるであろう超高齢化の地域支援について学びました。
研究も実践も、最初は手順が分からず戸惑うことが多いものです。でも、継続することで必ず力はついてきます。研究チームの学生は「調べる力」「読む力」「考える力」「批判する力」「まとめる力」「書く力」などが育ちました。一つのことを調べてまとめることは大変な作業です。しかしながら、逃げずに取り組むことで力は必ず育まれます。
また地域実践チームで育まれた力は、間違いなく多様な世代との交流によって育まれた「コミュニケーション力」と「企画力」です。子どもからお年寄りまで、多様な年代を地域活動を通じて関わる中で、ここの学生のコミュニケーション力が驚くほど伸びました。またイベントを企画することも得意となり、毎年白百合祭ではゼミの活動しながら、子ども達に楽しんでもらえるようなイベントを企画してきました。
ゼミの活動は、楽しいことばかりではなく、苦手なことにも取り組むことが求められますが、間違いなく多様な力が育まれます。
高校生のみなさん、やってことがないことや苦手なことこそ自分を伸ばすチャンスであると捉え、楽しみながら友達とともに取り組んでみては如何でしょうか。