いくつも教会を訪問して気づいたことがいくつかありました。
これまでの画像を見て気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、
教会の多くの屋根が玉ねぎ型をしています。
コロメンスコエの主の昇天教会が八角屋根で、数少ない例外かもしれません。
冷涼で豪雪の国なので雪が屋根に積もらず、建物に優しく、都合がよさそうと思いましたが、
実は、この形は炎の象徴で、キリスト教で重んじられている大切な意味が表現されているそうです。
小さな玉ねぎ型の屋根を「ルーコヴィツァ」、大きなものを「クーポル」「クーポラ」と言うそうです。
近くにいた英語ガイドさんの話が耳に入ってきたので、私も聴いていると、
「炎を捧げることで、祈りが神に届く様子」、「神が天へ、上へ上へ昇る表現」、
「教会の中を精霊が飛び交う意味がこめられている」等の意味とつながってくるものだそうです。
実際に、神様のお姿の前では、細長いろうそくを捧げる場がたくさんありました。
私たちのいる5号館4階も特徴的な構造ですが、夕方以降に電気がついた時には、特に
上方を見ると炎のような形がはっきりします。
きっとこれも本学だからこその設計でしょう・・・?(そうなのか不明)
それから、帰国近くなって、玉ねぎ型の屋根や十字架の数が各聖堂で違うこと、
「十字架の数や意味が日本のものと違うはずだ」とはっきり気づきました。
後で調べると、その数には意味があって(諸説あるようですが)、
2つ:神と人間、
3つ:父と子と精霊、
5つ:キリストと4つの新約聖書の使徒(マルコ・マタイ・ルカ・ヨハネ)
7つ:「洗礼機密」等の7つの秘跡、7つの神の恩寵?
8つ:キリストの復活、聖マリアの象徴
9つ:天使の階級
13 :キリストと12使徒・・・などの意味がありました。
3つ:父と子と精霊、
5つ:キリストと4つの新約聖書の使徒(マルコ・マタイ・ルカ・ヨハネ)
7つ:「洗礼機密」等の7つの秘跡、7つの神の恩寵?
8つ:キリストの復活、聖マリアの象徴
9つ:天使の階級
13 :キリストと12使徒・・・などの意味がありました。
そういえば、ミサでも「父と子と精霊と・・・」というフレーズは、よく出てくるし、
4つの福音書はまさにキリスト教そのものの意味がこめられていることも、実感できました。
あとは、十字架にかけられたキリスト像をまず見ることがありませんでした。
とにかく壁画ばかりで、非常に天井が高い構造の建物で一貫していました。
共通して見られたのは、聖母マリアに抱かれたキリスト、天へ昇っていくキリスト、復活・再生のキリストが殆どなのです。
私は、どこに行っても、「???」と立ち尽くし、何を言わんとしているか、乾いた雑巾を絞るが如く、殆どないキリスト教の知識を寄せ集めて考えるばかりでした。
私は、どこに行っても、「???」と立ち尽くし、何を言わんとしているか、乾いた雑巾を絞るが如く、殆どないキリスト教の知識を寄せ集めて考えるばかりでした。
キリストは、人間の罪を贖う(あがなう)ために犠牲となって十字架に磔にされる残酷な刑を受けています。
神の子のキリストをそうさせてしまった人間という存在が「罪深きもの」として意識する象徴が十字架ということもあるのでしょうが、その意味が重んじられていないのか?と思ったり、
神の子のキリストをそうさせてしまった人間という存在が「罪深きもの」として意識する象徴が十字架ということもあるのでしょうが、その意味が重んじられていないのか?と思ったり、
再生と復活したキリスト様のありようそのものや「天国」へ向かう(迎えられる)ことが大切にされているのか?と思ったりもしました。
・・・色々考えても、わかりません。
キリスト像の前で接吻をして祈っておられる方も度々見かけ(ロシア正教のスタイルです)、
こんな祈り方があるのかとドキッとしたりしました。
キリスト像を前にして、まともに祈ることもできない自分を恥じつつ、
キリスト教で伝えられている「贖い(あがない)」や「祝福」の意味を、私は全くわかっていないことを痛感させられました。
こんな祈り方があるのかとドキッとしたりしました。
キリスト像を前にして、まともに祈ることもできない自分を恥じつつ、
キリスト教で伝えられている「贖い(あがない)」や「祝福」の意味を、私は全くわかっていないことを痛感させられました。
今でも、ロシア正教が正しく伝えたいことが何か、ロシア人が空気のように感じている文化的価値観が何か、的確な理解の多くがわかりません。
後になって、ロシア正教では3次元でのキリストの表現が禁じられていて、
壁画や絵に描かれたキリストを崇拝する宗派で、「イコン」ということを知りました。
イコンとは、ロシア正教で使用する絵画を意味し、ギリシア語で「像」を意味するとも言われています。
何故、イコンを崇拝するかは、古い時代の偶像崇拝にまつわるロシアの歴史と密接に関連していて
(これを非常にわかりやすく説明しようとすると、長くなるので避けますが)、
「絵画によって表されたものを崇拝している」ということで勝ち取ったスタイルなのです。
とにかくイコンが見事に、私たちが立つ地面から天井まで、美しいものが描きつくされているのです。
それから、十字架が日本の十字架と違って特徴的でしたが、これは八端十字架(8箇所の先端)だそうです。
一番上の短い横棒は、キリストが磔にされた時の罪状が書かれた木版であり、
一番下の短い傾いた横棒は、足台を意味しており、足台があったことを伝えているようです。
そして、この足台の右側が上がっていて、左側の方が下がっているのが特徴です(傾きが殆どみられないのもあります)。
この意味は、バイブルサービスで話しませんでした。少しここで書きます。
キリスト共に2人の盗賊が十字架に掛けられたのですが、
キリスト共に2人の盗賊が十字架に掛けられたのですが、
左側の盗賊が「あなたが神なら、自分も俺らも救ってみよ」等、キリスト罵り、
右側の盗賊は「自分たちは盗賊としてこうなるのは当然だが、この人(キリスト)は、何も悪いことをしていない」と語っていたことから、
右側の者がキリスト共に、天国に行き、左側の者が地獄に行ったことを伝える象徴となっているようです。
即ち、悔いを改めること、神の存在を信じることが救われる道だということを示しているのだと理解できました。
八端十字架には、キリストの体は掛けられていませんが、
キリストの体があると、その意味が伝わりにくくなるのは、すぐに理解できました。
この他に気づいたこととして、どこの聖堂に行っても椅子が全くありませんでしたし、十字を切る動作が本学で見ている様子と違って、逆の方向の動きが始まりましたし、動作が多いのです。「???」です。
みんな立って祈るのか?ミサはずっと立っているのか?床に膝まづいたり、伏してお祈りするのか?と疑問に思いました。
後で調べると、立って祈るのが基本だそうでした。
そして、これも英語ガイドさんが話しているのが聞こえて理解できたことでしたが、
聖書等で福音を唱えるだけでなく、聖歌を重んじるスタイルで、
楽器は一切使用せず、礼拝は全て歌われるのが特徴だということです。
ですから、歌詞は、聖書の言葉、福音(よい教え)、神への賛美、祈りが歌を通して、伝えられ、教えられていくということでした。
ロシア正教に限らず、キリスト教では、キリストを称える歌、聖歌が非常に多い理由がこういうことかと腑に落ちました。
ロシア正教に限らず、キリスト教では、キリストを称える歌、聖歌が非常に多い理由がこういうことかと腑に落ちました。
また、ロシア正教では、十字を「切る」という言い方でなく、「描く」という言い方のようです。
全てを聴いて理解できたと限りませんが、入退室やイコンや聖書、十字架に触れる、接吻する前等、
描く必要がある時が決められているようでした。
そして、次の記事では、ジャンヌ・ダルクの話について触れます。
(文責:中嶋)