こんにちは!
今回のブログ記事では、私が担当している「心理学統計法」という科目についてご紹介したいと思います。
「え?心理学って数学の知識が必要なんですか!?」
数年に一人くらい、大学入学後にこのように驚く学生がいます。今でこそ、オープンキャンパスに遊びにきてくれた高校生の皆さんには事前にお話しするので、ここまで極端なギャップはありませんが「知らなかった…」という方も少なくありません。
「心理学って、人の心を読む学問ですよね?」
高校生のみなさんから、たまに聞く言葉です。確かに心理学は、人の気持ちや行動を考える学問です。友だちとの関係、家族とのやりとり、学校やSNSでの出来事―私たちの身近な世界が、そのまま研究の対象になります。
で、大学で心理学を学ぶとき、ほぼ必ず登場する科目があります。
それが「心理学統計法」です。
この名前を見た瞬間、「え、心理学なのに統計?」「数学、苦手なんだけど……」と思った人もいるかもしれません。実際、私がオープンキャンパスでお会いする高校生の皆さんの多くが同じような感想を持つんです。
でも実は、統計は心理学を“つまらなくする存在”ではありません。むしろ、心理学を一気に面白くしてくれる存在なのです。
心理学では、「なんとなくそう思う」だけでは結論を出しません。たとえば、「緊張しやすい人は失敗しやすい」「ほめられるとやる気が出る」「安心できる場所では人はよく話す」―どれもありそうな話ですが、本当にそう言えるのでしょうか。
そこで登場するのが統計です。
何人くらい調べたのか、その結果はたまたまではないのか、本当に差があると言えるのか。統計は、こうした問いに答えるための道具です。言い換えるなら、統計は「思い込み」と「確かさ」を分けるためのメガネのようなものだと言えます。
人の心は目に見えません。でも、質問紙や実験を通して集めたデータを統計で整理すると、不思議なことに、心の動きが少しずつ輪郭を持って見えてきます。人によってどれくらい違うのか、状況が変わるとどう変化するのか―数字は、人の多様さを教えてくれるのです。
「心を数字にするなんて冷たい」と感じる人もいるかもしれません。でも実際はその逆で、数字にするからこそ、「みんな違っていい」ということが、感覚ではなく根拠として理解できるようになります。

さらに、心理学の統計は、大学の授業だけで終わるものではありません。ニュースやSNSで見かける「○%の人が〜」という表現に対して、「それって何人調べたの?」と立ち止まれるようになります。データに振り回されず、自分の頭で考える力が自然と身についていくのです。
心理学を学ぶということは、人の気持ちに寄り添うことです。でも同時に、冷静に確かめる力を持つことでもあります。統計学は、その両方を支えてくれる大切な相棒です。
もし今、「心理学ってちょっと面白そう」と感じているなら、ぜひ覚えておいてください。
大学で出会う統計学は、あなたが人を見る目を、少しだけ鋭く、でもやさしくしてくれるはずです。
