皆さんこんにちは。教員の結城です。
大学では講義科目の他に演習科目があるのですが,その中でも「ゼミナール(通称「ゼミ」)」というものがあるのを知っていますか?
簡単に言えば,ゼミとは「学生が積極的に意見を出し合い,活発なコミュニケーションのもとで進められていく授業の形式」のことで,専門的に学びたい教員の「研究室」に所属することになります。
今回は,結城ゼミに所属する3年生のNさんにゼミ活動や今後の進路について話を聞きました!
結城(以下,Y):今回,高校生やまだゼミに所属していない大学生に,「ゼミ」でどのような活動をしているのかについてざっくばらんに話してもらえるかな。私に気を遣わなくていいから,本音を話してね (笑)
Nさん(以下,N):はい,わかりました(笑)。よろしくお願いします。
Y:まず1つ目の質問なんだけど,率直に結城ゼミを選んだ理由を教えてもらえる? 本音を言いづらいかも知れないけど。
N:2年生の時に結城先生の「社会・集団・家族心理学A(社会心理学)」が1番わかりやすくて,「こんなわかりやすい授業をしてくださる先生に指導していただきたいな」と思ったので,結城先生のゼミを選びました。
Y:褒めてもらってありがとうございます。あとでハーゲンダッツをごちそうします(笑)。
N:嘘じゃないですよ!!
Y:じゃあ,結城ゼミではどんな活動をしているのか説明してもらえる?
N:3年生の前期は,ゼミ生それぞれが興味のある論文を選び,それをPowerPointにまとめてゼミ内で各自発表しました。
まず,他の人が書いた論文を理解して他の人に発表するという点では,興味がある論文とは言えやはり難しかったです。一番の難関はデータの分析方法を理解することだったと思います。
授業内では、発表後必ず質疑応答をします。異なる考えの人と議論を戦わせると,自分では気づかなかった視点や気づきが得られるので,とても有意義な時間です。また,どうしても自分の興味以外の社会心理学の研究分野に触れることが少ないため、新しい知識を得ることのできる貴重な活動であったと思います。
そして,後期はゼミ生全員で1つの研究テーマを設定し研究をしました。はじめは,「なぜ,女性は集団でいることが多いのだろう...」という疑問から始まり,質問紙の作成や調査の実施も自分たちで行いました。興味のあるテーマまでは絞れても,そこから研究ラインに乗せることが難しく,しっかりしたテーマになるまでにだいぶ時間がかかりました。研究の難しさを実感しましたが,多くのことが学べる活動だったので私は毎回ゼミを楽しみにしていました。
Y:そうだよね。文献を読んで自分で興味のあるテーマを設定して,調査,データ分析,そして結果をまとめるという一連の作業は,今まで経験したことが無かったんじゃないかな。来年卒業論文を書くときに今回の経験は活かせると思うよ。
それと,やっぱりゼミの醍醐味は学生同士の議論だよね。物事を論理的に考える訓練にもなっているので,間違ってもいいから積極的に発言する姿勢は大切にして欲しいな。
Y:Nさんは,大学を卒業したらどういう道に進みたいと思ってるの?
N:私は社会心理学に興味を持っているので,大学院への進学を考えています。
Y:おお!素晴らしい! もう少し大学院に進学しようと思った理由を聞かせてもらえる?
N:それは「利他行動」について学び続けたい,もっと知識を得たい,新しいことを知りたいという探究心と,結城先生のような社会心理学をわかりやすく,学生が興味を持てるように教えることのできる教員になりたいという気持ちが,日に日に増していったからです。
Y:うーん,そこまで持ち上げられると恥ずかしいなぁ (照) ハーゲンダッツは1個までですよ!
N:一個で十分です(笑)
Y:「利他行動」かぁ。わかりやすく言えば,他者の利益になる行動のことだけど,最近はソーシャル・ゲーム理論や脳科学など,いろいろな分野で注目されているテーマだよね。特に「利他行動」のどのような側面に興味を持っているの?
N:ゼミに入った時から「利他行動」というものに興味がありました。大学院では「利他・利己行動」について研究されている先生のもとで,特に「やりすぎなんじゃないか」と思われるような「極端な利他行動」について興味があるので,深く学び得たいと思っています。
Y:確かに,たまに自己犠牲を払ってでも他者の利益を第一優先にする人っているよね。私もそういう人の心理的メカニズムに興味があるなぁ。では,少々視点を変えて,進学に向けて具体的にどのような勉強をしているの?
N:今は,院試に必要な英語の勉強を中心にしています。院試では,心理学に関する英文の読解問題が出題されるので。ひたすら「ヒルガードの心理学」の原著を和訳し、心理院単(心理学関係の単語)を覚えています。
また、進学希望の大学院では、TOEICの点数も入試得点に加味されるようで, TOEICの勉強もしています。
私はあまり英語が得意ではないので、人より時間がかかったりして辛くなることも多いですが、やりたいこと・なりたいもののためと思い何とか頑張っています。
あとは、卒論や進学後の研究のために「利他行動」について研究している先生が執筆された本や「利他行動」関連の文献を読み漁っています。
Y:一般的に大学院の入試は9月と2月の2回あるところが多いけど,一番早くてもう7, 8ヶ月しかないんだね。残された時間を大切に毎日を過ごしてほしいなと思います。
N:はい,夢に向かって全力で頑張ります!
Y:今日は貴重な話を聞けてよかったです。ありがとう。
N:ありがとうございました。