6月8日(土)、本学において精神保健福祉援助実習 連絡会を開催しました。
精神保健福祉援助実習は、4年生の夏休みに行われます。医療機関90時間以上、障害者サービス事業所120時間で合わせて210時間の実習が課されています。
この連絡会は、大学、実習先(実習指導者)、学生の3者で実習について確認しあうために行われるもので、精神保健福祉実習指導という授業に位置づけられています。
前半は、渡邊学科長の挨拶の後、実習指導者の方と大学とで本年度の実習体制や昨年度の実習の総括などを話し合いました。
後半では、実習指導者の方と学生とで面談が行われました。
実習を行うために、学生たちは“実習計画書”というものを作成します。実習先の医療機関や障害者サービス事業所でどのような実習を行いたいのか、実習先は地域にとってどんな役割を果たしているのか、どんな職種の人達と連携しているのか、ソーシャルワークが展開できるようになるためにはどんな視点が必要となるのかなど実習先や支援に必要な援助技術について調べ、さらに具体にどんな方法で身につけることができるようになるのかを考え書き記していきます。いわば、自分自身の実習行動マニュアルのようなもので計画的に進めるためには必須のものとなります。
今回の連絡会では、学生自身が書き記した“実習計画書”を、実習先の指導員の方に見て頂いて不足しているものはないか、逆に希望されていても時間的な問題でできないこともあることなど、より現実的な計画書になるように指導を受けます。
翌週からの授業では、指摘された内容をもとに再度実習計画を練り直します。並行して、事前学習をしていきます。事前学習というのは、援助技術とはなにか、価値とはなにか、ソーシャルワーカーの倫理綱領や社会保障制度(たとえば医療保障制度、労働者保障制度、介護保障制度、年金保障制度、生活保護制度など)、実習機関の歴史や理念、多職種(看護師や臨床心理士、作業療法士や行政機関における関連職種など)の業務内容、病気や障がいの理解など既に学んだこと、最近の保健医療福祉の動向などを整理して臨みます。
実習は、受け身では多くを学ぶことはできません。能動的に実習指導者の方の動きや話を聞き、自ら行動することで多くを学ぶことができます。将来、利用者の方にソーシャルワークを展開するためには“根拠”をもって行わなければなりません。精神保健福祉士には、一つ一つの行動について“説明責任”が求められます。そのためには、これらの事前学習は大変重要なものとなります。
実習は、原則として夏休み期間で行われます。二つの施設にて合わせて210時間(30日間)の実習となります。今回の指導者の方との面談内容をこころに留めて、無事に実習を乗り切りより実践に強い精神保健福祉士によれるよう頑張ってほしいと願います。精神保健福祉士としても人間としてもひとまわり成長して戻ってくることを楽しみにしています。