2019年度に新たに開講した1年次科目の「共通基礎演習」はアクティブラーニング中心の授業であり、様々な意味で仙台白百合女子大学初の取り組みです。
初の取り組みの一つ目として、4学科の学生をシャッフルし5クラスに分け、プログラムが半分経過したのちには、再度クラス分けを行う点す。学生は2度に渡って新しい仲間と教員に出会うことになります。この共通基礎演習では、薄くていいから、広く多くの人(学生や教員)と出会い、自分の居場所を所属学科以外にも見つけることを大切にしています。
次にこの科目をきっかけにして、人と関わる上で重要となる6つの力を六訓と称して、(①自律 ②理解、③協力、④ 表現 ⑤議論、⑥主張)6種類の力を養うことを目指している点です。漠然としたねらいでは、学びの成果を図りにくいという意見がありました。そのため、毎回のアンケートでは、この六訓の取り組みの様子と感想を求め、学生自らの成長を確認してもらっています。
共通基礎演習に参加する他学科の教員は、共通基礎演習で採用することになったプログラム(KJ 法、コラージュ法、ロールプレイ)について未経験者が多く、開講前の2月には3回程度教員研修を行いました。教員自身が学生と共に育つことを楽しむには、プログラムの全体像の把握とねらいの共有、ファシリテート技術の獲得などが必要となります。3回の教員研修は笑顔と楽しい雰囲気で進められたため、その雰囲気そのままで授業を運営することができています。
参加した学生の感想は毎回好評です。「初めて会う人とでも共通点を見出すことで安心感が心に広がった」、同じようなことを不安に思うことを知り、「私だけじゃないという思いを得られた」など、それぞれの言葉で楽しかった経験を伝えてくれます。「学科を超えて友人ができる経験ができるとは思わなかった」という感想は、我々のねらい通りでした。またプログラム全体を通じて、楽しいおしゃべりすることを推奨される経験は初めてだったようです。
共通基礎演習が成熟するためには、学生の意向を踏まえながら、教員間でのさらなる協力と議論が必要です。教員がチームワークを大切にしながら授業運営をする姿は、きっと学生に伝わると思います。前期も残り数回を数えるところまできました。さあ残りの数回も、盛り上がっていくよう頑張っていきましょう。