みなさん。こんにちは。
いかがお過ごしですか。コロナ禍で、旅行にも行けない、帰省もできない、オープンキャンパスにも行けない状況(いやいや人数の制限はありますが来られますよ)かと思います。
今年は、ホントに異例づくめの夏でした。
さて、そんなみなさんに卒業生からメッセージが届きましたのでお届けしま〜す。今回、偶然にも同じ病院(杜のホスピタル・あおば)に勤務している3人に話をききました。
教員:お名前を聞かせてください。
卒業生:松浦です。大場です。岩佐です。
教員:ありがとうございます。みなさんは、この「杜のホスピタル・あおば」に勤めて何年になるの?
松浦さん:5年すぎました。
大場さん:3年です。
岩佐さん:3ヶ月です。
教員:そうですかぁ。うん?大学では、同じ時期に在籍?
松浦さん:う〜ん。そうなりますかぁ。でも、勤めるまでは、なかなか会うこともなくてわかりませんでした。
大場さん・岩佐さん:私たちは、松浦先輩のこと知ってましたよ。実習の報告会とかで発表してましたから。
教員:そうだよね。先輩の松浦さんは、後輩の発表はあまり見る機会がないけど、後輩の人達は発表聞くもんね。なんか、堂々と発表していたのを思い出します。
さて、本題に入りますか。
卒業生:わかりました。
教員:早速ですが、その大学生時代の思い出は何かありますか?
松浦さん:国家資格を2つ目指したこともあり、人生で一番勉強を頑張った、という思い出があります。それから実習も大変だった。反省することも多かったけど、逆に今後の課題にも気づけたので今にして思えばすごくいい経験をしたと思います。他には、空きコマの時間に友人とたわいない話で盛り上がったり、おいしいものを食べにいったりした楽しい思い出もあります。
大場さん:空きコマにステラマリス(食堂)で友達と過ごす時間が私にとって癒しの時間でした(笑)。それから、「Pokemon GO」が流行った年があって、K先生にアプリを見せたら、その先生が自分でやり出して結局私たちがそのあと出来なくなってしまったというのもありました(笑)。
教員:あの時は、失礼しましたm(_ _)m
岩佐さん:私は、大学1年の秋に大学祭で浪江焼そば(復興支援)をつくって売ったことが真っ先に思い出されます。その焼きそば全部売れたんですよ、すごくうれしかった思い出があります。大学に入ってから初めてのグループ共同作業であったため、かなり印象強く残っています。他にも思い出すときりがないくらいで、友人らと遊んだり、趣味の漫画集めやイラストを描くのに仲間と没頭するときもあったり、あとはレポートをひぃひぃ言いながら書いていたことは今ではいい思い出だと思ってます。
教員:なるほど。何か、勉強より、友達と過ごしたことのほうが印象に残ってんのね。う〜ん。複雑。そうそう、そもそも本学を選んだ理由ってなんだったの?
松浦さん:小さい頃体が弱く、沢山の人に支えてもらっていたんです。それから私も誰かのために働きたいという思いがあり、とくに目には見えない心理の仕事に興味がありました。でもなんとなくというか漠然としていたんですね。そのときオープンキャンパスの時に「エンパワメント支援」の講話があり、そこで強みを伸ばす支援をする精神保健福祉士に感銘を受けたのを覚えています。調べるうち一番は精神保健福祉士と社会福祉士のダブル資格の取得を目指せることに魅力を感じました。他大学のオープンキャンパスにも参加はしたものの、学生生活のイメージが一番できたのも選んだ理由の一つです。
大場さん:精神保健福祉士の資格の勉強ができることはもちろんですが、オープンキャンパスへ行った際の先輩方の雰囲気や少人数制で先生方との距離が近いことですかね。
岩佐さん:高校生の時、スクールカウンセラーに憧れて心理学を学びたいと思ったんです。思春期の心に触れるお仕事ってかなりおもしろいと思い、実際に高校のスクールカウンセラーにインタビューした流れで白百合の卒業生であることを知り、それをきっかけに、白百合の心理福祉学科に入りたいと思ったというのが理由です(でも、心理コースではなくて、なぜか福祉コースに進んでしまいました)。あとは女子が多いし、気の合う友人ができたらいいなぁという期待もあって、入学後には楽しい友人らと出会うことができて白百合を希望してよかったと感じてます。
教員:そうですか。「ダブルの資格」「少人数」「女子大」みたいのが、キーワードになるのかな。入ってみてどうでした?
松浦さん:学業と学生会の両立、空きコマは友人と過ごすこともあったけど、どちらかというとレポートの作成のためにパソコン室や図書館にこもって調べたり、まとめたりしていたという生活でした。先生方がフランクだったため、すごく質問や相談がしやすかったのは良かった。冗談をいいつつも、一人一人の学生を見てくれているといつもそう感じていました。何かあったら助けてくれるだろうという安心もあった。
教員:そんなに褒めなくてもいいよ(笑)
大場さん:一生の友達もでき、資格もとることができて充実した学生生活だったと思います。そういうところでは、期待を裏切らなかった気がします。
岩佐さん:勉強の方は自分のペースで学んでいけたような気がします。分からない部分は先生や友人らに訊いたり相談したりしながら解消してました。講義や自主勉強以外の時間は、昼寝とか友人らと映画鑑賞するなど遊びや趣味の時間に費やしてリフレッシュしていました。とにかく勉強も遊びもマイペースに過ごすことができた学生生活だったと思います。
教員:大場さんは、確かに友達といつも一緒にいた記憶があるし、岩佐さんは、とにかく質問してたよね。国試対策のときは、こちらの方がタジタジだったのを思いだしますよ(汗)。その国試なんだけど、みなさんは、試験勉強はどのようにしてた?
松浦さん:ワークブックに講義の内容を付箋して貼る・模擬試験で出たところにマーカーでチェックする・間違えたところの解説を書き込むなどして「国試対策ノート」を作ってました。あとはひたすら過去問と模擬試験を何度も解いた記憶があります。一人だとモチベーションを維持するのが大変なんですね。それで、国試対策の講義にも参加し、モチベーションを下げない努力をしてました。
大場さん:私は、6月頃から地道に取り組み始め、過去問5年分を何度も繰り返していました。何度も繰り返していると答えの番号を覚えてしまうので、1~5の選択肢があれば、選択肢1行ずつ正しい文章に直したり、根拠を一つずつ調べたりしていました。非常に面倒で時間のかかる作業だったんですけど、本番はとても役立ったなと感じています。
岩佐さん:過去問三年分を専門科目も共通科目も一週間の内に何問かに分けて解いたりしてました。早いうちにこのやり方を習慣化すると、出題傾向が理解できるので良い方法だったと思ってます。それから使っていて良かった教材が、テキストのように文字だけの文章だけではなく、最新の情報が図になっている参考書も側においていて、グラフなどで視覚的にあらわされているので理解しやすかった。テキスト以外では、勉強のできる友人に分からない部分を訊いたり、同じ試験を受ける友人と競争するように勉強し合うなんてこともしてました。競争心は大事だと思います。
教員:確かに岩佐さんは、後期は毎日学校に来て、質問攻めにあったのを覚えてますよ(笑)。で、結局は、松浦さんが社会福祉士と精神保健福祉士、大場さんは、精神保健福祉士、岩佐さんは、社会福祉士と精神保健福祉士なんだよね。みなさんは、その資格を活かして、今の就職先なんだよね。就職先の決め手はどんな....。
松浦さん:両親が医療機関に勤めていたこともあり、病院に興味があったんです。でも、なかなか就職先が決まらずにいたため、K先生に相談し紹介してもらった。私は、医療と福祉の2面性を持つ病院の相談員になりたいという夢もあった。それから、ちょっとプライベートな話ですが、祖母が認知症になり何度か受診に付き添ったことがあったんです。それが今の職場だったんです。そのときにとても開放的な雰囲気だったことや今まで見てきた病院とは違う印象もありました。今、まさしく超高齢社会ですよね。そういう意味では認知症も興味があったので、今の職場に決めました。
教員:そですかぁ。おばあさんが通っていたのね。偶然だねぇ。
大場さん:まずはじめに大学の先輩がいるという安心感がありました。それと認知症の方、そのご家族の支援に関わりたいと思ったからです。私も認知症を患った祖父の姿と、祖父の入院先や施設探しに関わる母を見て、同じように困っている方、悩みを抱えている方の力になりたいと考えたからです。
岩佐さん:どんな仕事もやってみなきゃわからないので、まず自分がその仕事をやってみたいかどうかで決めてみました。もちろん資格を活かしたいかという考えも決め手のひとつで、専門分野の仕事をしたいという気持ちが強かったこともあったため、医療と福祉の現場である精神科病院を選んだんです。あとは「病院のワーカーってかっこいい!」と漠然と思っていたこともありました(笑)。まだ入職して3ヶ月なので、その「かっこいいワーカー」にはまだなれていません。先輩方の背中をみている状態なため、「かっこいいワーカー」をめざして頑張ろうと思ってます。
教員:現在どんな仕事内容ですか。
松浦さん:うちは重度認知症の専門病院なんです。私は、入院担当で、入退院調整などの相談業務を主にしています。この部署は入院窓口になっているため、いわば「病院の顔」としての意識をもたなきゃいけない部署なんです。ですから、結構言葉とか仕草なんかに気を遣っています。ソーシャルワークの面でいうと、入院相談から患者さん・ご家族と関わり、入院中も担当して関わっていくことができるため「変化」を感じることができます。積極的に研修会にも参加したりして、いろんな人と繋がることや情報収集などして、スキルアップを目指しています(今はコロナのころもあり控えていますが)。
大場さん:私は、重度認知症患者デイケアの相談員をしています。デイケアを利用したい方、そのご家族に対してデイケアの説明・見学・相談・ケアマネジャーとの連携をします。作業療法士、看護師、介護士などのデイケア職員と多職種連携し、認知症の方へのケアを行っています。また、趣味であるフルートを活かして演奏することもあります☆
教員:たしか、なんか楽器をやってたというのを思い出した!
岩佐さん:今は、入院に関する相談の受付や連絡調整をメインに仕事をしています。電話越しや直接でのやり取りが多く、医師や看護師などの多職種、患者の家族や他機関など情報の受け渡しをしています。関わる人の分だけ話す言葉とその中にある気持ちに触れていくことが多いので、かなり繊細な仕事をしていると日々感じています。
教員:大変さとかはありますか
松浦さん:はい、「これが1番難しい」と何か一つを選ぶのは難しいです。そもそも答えがないため、簡単だと感じる支援はありません。でも、強いて言えば「想いをくみ取る」「想いを吐き出してもらう」ことの難しさを日々痛感しています。支援関係であることは間違いないんですけど、見えない壁を感じることあります。いかにその壁を薄くして「想いをくみ取る」、こちら側が努力する必要があると思っています。患者さんと話すとき、重度認知症の方だと自身の想いを言語化するのが難しい方もいるため、いかにしてその想いに気づき、支援できるかも常に考えています。また、ご家族と患者さんの間や職種間で挟まれることもあり、どう折り合いをつけていくかも考えなきゃいけない。ジレンマを感じることもあります。
大場さん:人との関わり方だと思います。一人ひとり価値観や気持ちの感じ方は人それぞれで、同じ出来事に対しても反応は様々です。自分と似たような考えの人もいれば正反対の人もいると思います。どちらかに偏ってしまうのではなく、肯定的に捉えることを心掛けています。こればかりは、必ず上手くいくというものではなく、相手の受け止め方・その時の状況によっても結果が違ってくるものだと思います。
岩佐さん:自分は経験がまだ浅く、仕事をするなか難しく感じる場面が多々あるんですが、そのなかで特に伝えることは簡単なようで難しいことだと感じています。話(言葉)の内容だけでなく声の調子や感情や諸々、状況に合わせて使い分けることで相手にうまく伝わるように努めなければ思っています。聴くことも同じで相手が話す内容の他に、ニュアンスをうまく汲み取って対応することも、伝える事と同じくらい大事だと感じています。
教員:学生時代とはかなり発言内容が違うねぇ。成長したというか、いい意味でもまれているというか。がんばれ〜だね。それで、「やりがい」なんてのを感じることはある?
松浦さん:「入院できてよかった」「幸せな人生だった」「出会えてよかった」などうれしい言葉をかけていただいたり、患者さんの穏やかな表情、ご家族の笑顔をみれると「この仕事を選んでよかった」と思います。どんなに苦しいこと、辛いことがあっても原動力になる。人との繋がりがいかに大切かを再認識させてくれる。結局人の心を癒やせるのは人なんだと思います。
大場さん:患者さんの笑顔と「話せて良かった」と家族の方から言って貰えたことです。
岩佐さん:私は、「ありがとうございます」の一言をいただくに限ると思います。患者さんでも家族の方でも職場の中でも、自分の仕事を成し遂げたときに「助かります」や「ありがとうございます」を受け取ると、安心と達成感を感じます。でも、まだまた覚える事はいっぱいあって、その中で失敗することも多いですけど「最後まで頑張る」という事がいつかやりがいに繋がっていくと思っています。
教員:今後の夢はなんですか(仕事上の)
松浦さん:患者さん、ご家族の痛みに寄り添える精神保健福祉士になることです。以前にあるご家族から「松浦さんのような家族の痛みに寄り添える精神保健福祉士さんと出会えて良かった」という言葉をかけていただき、これが私の思うこの仕事の存在意義だと感じたからです。認知症になると出来ないこと・忘れていく恐怖の中で過ごす患者さんとその忘れていく・出来なくなる様子を見ているご家族。そこには様々な「痛み」があると思うんですね。痛みに気づき、寄り添い、見守り、一緒に乗り越えていく。いつか痛みが思い出の一つに変われるような支援・サポートをしていければいいなぁと思っています。そのためには、熱意だけではどうにもならないこともあるため、日々知識・技術を沢山習得していき、患者さんとご家族のために役立てたいと思っています。
大場さん:高齢になると、親戚とも友人とも疎遠、家族はいるけど頼れない等様々な理由で、お一人で介護をしていらっしゃる方が多いなと感じます。一人だけで抱えてしまうといずれ壊れてしまいます。同じ悩みを持った方が、お話ができる居場所を提供できればいいなと思っています。
岩佐さん:ものすごく抽象的なんですが、「かっこいいワーカーになること」です。自分の中での“かっこいい”は業務をこなして何かあったとしても迅速に判断できて、という仕事ができることも含まれているが、“誰かの幸せと楽しみのために動く”というこの業界で働く者として大事なことだと思っています。そういうワーカーになりたいと夢みてます。
教員:ほんと、大分長くなりましたが、ありがとうございました。最後になんだけど受験生にひとことお願いします。
松浦さん:たくさん勉強してください。学生生活を楽しんでください。先生にたくさん相談してください。学生さんができる特権だと思います!!!
大場さん:体調管理に気をつけて、頑張ってください!
岩佐さん:試験日はとにかく緊張するし不安になりますが、その日までにあらゆる準備をしてきたならそういったドキドキも本番ならではのスパイスになる? それまでは、なんでもいいから自分の勉強しやすい環境で試験勉強に取り組んで、たまに昼寝や談話やお菓子をつまんで休憩をとりつつ、試験の準備を着実に行うことがおすすめです。受験を楽しんで!
教員:最後まで、ありがとうございました。みなさんも、体調に気をつけて、みなさんを頼ってきた方々のため頑張ってください