みなさん、こんにちは。
今年も残すところ、あと一ヶ月半となりました。
外は急に寒くなり、いよいよ冬本番に突入!というところでしょうか。
さて、恒例?の「今年を振り返る!」ですが、やはり印象に残っているのは「大学祭」です。本学の大学祭は、学生や教職員が共に参加し、交流と学びの機会を提供する重要な行事です。
コロナ禍においては、すべてといってよいくらいにイベントは中止に追い込まれました。昨年にようやく対面での大学祭が復活し、今年2年目となります。年に1回のこのイベントはやはりこころ踊りますね。しかし、大学祭は、単にお祭り騒ぎをする場ではありません。このイベントは、複数の意義を有していると思っています。
まず第一に、大学祭は学生たちにとってコミュニケーション能力や協働スキルを向上させる場となります。心理福祉学科の学生は将来、人とのコミュニケーションが不可欠な職場で活躍することが期待されます。大学祭では、企画や実行に携わることでリーダーシップやチームワークの経験を積み重ね、これらのスキルを発展させることができます。1年生の中庭ブース(食品を扱うエリア)では、射的を行いました。的に当たった数でお菓子を配ります。1年生は、高校時代文化祭を経験していません。大学に入ってフルオープンな「祭り」は初めての経験です。「何をすればいいの」「どうすればいいの」「値段は?」「準備するものは?」「そんな大量のお菓子はどこに売ってるの?」などなど、てんてこ舞いです。まして、夏休み明けですから、準備する時間がなく大変。リーダーは、全体の準備やら自分のところの準備やら、もちろん普段の授業の準備も何重にもプレッシャーが襲いかかります。
教員も少し手伝い、サポート役を担います。なにせ、経験のないことを学生は一生懸命しているのですから。学生は、何回かのミーティングを経るうちに、少しづつ要領を掴んできます。イメージが沸いてきます。そして、どうすれば良いかを皆に問いかけまとめていきます。また、ブース担当の学生は、お客さん(子どもから大人まで)の対応に追われます。射的の方法の説明、景品の受け渡し、金銭管理などなど。お客さんからの問い合わせに対する応答能力。
これらのプロセスで学ぶのは、「コミュニケーション能力」や「協働で何かを成し遂げようとする力」です。これらの経験は、人とコミュニケーションをとることが仕事となる学生にとっては、まさしく“実践現場”となります。
次に、大学祭は学問や専門分野に関する知識を深める機会を提供します。心理福祉学科の学生が主催する催しは、心理学や福祉に関する研究成果や実践的な知識を発信する場となります。今年の1年生のテーマは、「東北5県(宮城を除く5グループ))のお菓子について調べる」とうのがミッションでした。なぜお菓子かっていうと、中庭のブースと連動する形にしようと学生からのアイディアから生まれました。この課題が決まったのは7月です。10月の大学祭までに、調べて大判プリンターでポスターを印刷して、当日はパネル発表となります。更に教員の一言、「スライドでも発表しよう!」が肩に重くのしかかります。夏期休暇中に、山形の和菓子作りの老舗を訪問して、社長さんにインタビューを決行し、違うゼミでは、このときぞばかりに「先生、実際に食べてみないとわかりませ〜ん」と会津や遠方の代表的なお菓子(和菓子)を取り寄せて、試食をしたりと。その上で、その土地の歴史や文化、見た目や味などを比較したりして、A0ポスターにまとめました。さらには、PowerPointにもまとめ、時間を決めて発表もしました。学生たちは、討論やワークショップを通じて、学生同士が知見を共有し、新たなアイディアやアプローチを模索したりしながら、専門科目で行うであろう「調査・研究」の一端を経験していきます。
さらに、大学祭は地域社会との連携を強化する「場」としても機能していると感じます。心理学や福祉学は、社会において深い影響を与える学問であり、その専門的な知識やアプローチは地域の課題に対処する手段となり得ます。大学祭を通じて地域住民や関係者との交流が生まれ、学科の存在感を高めることで、より有意義な社会貢献が期待されます。
最後に、学業に追われる日々の中で、大学祭は学生たちにストレス解消や新たな関係を築く機会を提供していると思います。この経験は、残りの大学生活を送るうえで、勉強することの意義や友人との関係構築に役立つと思っています。
総じて、心理福祉学科の大学祭は学生の個々の成長と専門的なスキルの向上だけでなく、地域社会との結びつきや楽しさを通じて、より良い未来のための一歩を踏み出す重要な場であると言えます。
来年の大学祭では、本学科の学生が企画担当との噂を耳にしました。本年度以上にパワーアップした「大学祭」にしたいと思っています。この記事を読んでいるみなさんも一緒に盛り上げていきましょう。