フィールドワーク2日目!!午前中は誠信女子大学での交流と議論でした!誠信女子大学の学生12名、本学学生8名の、計20名。
言葉の壁があるのでうまく交流できるのか一抹の不安がありましたが、これが大盛り上がり!!誠信女子大学の学生は日本語文化学科の学生ということもありましたが、日本語が本当に上手でほぼネイティブ。おかげさまでスムーズな意思疎通ができてこれ以上ないほどに盛り上がりました。
まずはたっぷりと25分フリートーク!日本の漫画の話やファッション、K-POPの話。さすがに同世代の学生同士。私が介入しなくてもすぐに意気投合(むしろ話に入れてもらえませんでした涙)。笑い声もそこかしこでおきていい感じ。
しかし今回はただの交流で終わりません。国際福祉フィールドワークというだけあって、私たちは「自死率の高さからみる韓国社会― 福祉、労働、若者、学歴社会」というテーマを掲げ、これを深めるために訪問しています。そのため、フリートークのあとは、ディスカッション。韓国の若者が抱えるプレッシャーや苦悩、困難など事前に学習してきた内容をベースに話し合いました。
韓国社会を生きる上でのプレッシャー、言葉にすれば簡単ですが、話された内容は想像以上でした。
・上の世代からは「努力しろ」「勤勉にせよ」と言われるが若い世代は努力しても例えば家も買えない。努力ではどうにもならない社会があるのに上の世代はそれがわからない。その板挟みの辛さ
・とにかく勉強の連続。お弁当は2つもち、高校生でも塾があるので帰宅は10時。土曜も午前中は勉強。日曜日はただ寝るが、それでも宿題などで勉強。
・ストレスを解消する時間もないし、とにかく自分のために使える時間がない
・何よりも自分の話を真面目に聞いてくれる人がいない。親も良い大学にいかせたいから勉強のことばかり。
・例えばあなたはしんどくない?と道を歩いている中高生に聞けば、涙を流す人が多い。それくらい、韓国の若者には心の居場所がない。
・韓国は完璧主義で他人と比較する傾向がある。それも苦しい
・うつ病などメンタル系の病気に対する偏見が根強いので心療内科に通うことも難しいし、気持ちの弱さを抱えていること自体、周りに話せない。等々。
内容自体はシリアスですが、誠信女子大学の学生はユーモアを交えて話すのでシリアスながら話しやすい雰囲気でした。おかげで本学の学生もたくさん議論し、非常にエキサイティングな時間になりました。
とても盛り上がったので、私が事前に一生懸命、お願いしたキャンパスツアーの時間は短縮、予定していた学食経験もなしにして(とほほ笑)、皆、街にお昼を食べに向こうの学生と一緒に楽しそうに出ていきました(私を学食に置いて!!笑)。
まあでも楽しいのでいいですね!!
若いときの異文化交流は何モノにも代え難い、本当に貴重な時間です。あとでどれだけお金を出しても買えない、いまだけのスペシャルで珠玉の経験。正直、海外フィールドワークの引率や企画は教員にとって負担が大きく、今回はテーマがテーマだけに直前まで訪問先調整に苦戦する状態で、出国前は「もう今後はこんなん嫌だ!!!」と思っていたのですが(笑)、学生たちの楽しそうな姿を見ると「うん・・・、まあ次、やってもいいか」と思えました(多分!)
今回、ご対応くださった誠信女子大学の川又様、学生の皆様、本当にありがとうございました。素晴らしい時間でした。深く感謝申し上げます。
午後は、10代の家出少女を保護・支援するワンストップセンターである「ラム」を訪問。ラムは韓国語で「木」の意味でソウル市の青少年福祉、支援業務をおこなう行政組織の一つです。ここでは若者が自死に至らぬようにどのような支援がなされているのかという観点で施設からの説明、質疑応答を行いました。
実はここ、韓国人研究者で私の友人の金在根先生に紹介していただいた機関です(金先生ありがとうございます😭2日目午後の日程がなかなか決まらず大変困っていたところを助けていただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます)
ラムでは、日本でいうトー横キッズなどストリートで時間を過ごす10代の若者の支援もしています。
そのなかで少年少女といかに関係を築くか、「信頼関係構築」の方法について説明を受けました。
アウトリーチすること、そこで支援の話はせずとにかく信頼関係を構築することに全神経を注ぐ実践。
そう、これはまさにソーシャルワーク。対応してくださった方々は皆、ソーシャルワーカーさんでした。こちらの参加者は心理系の学生と福祉系の学生がちょうど半々ぐらいでしたが、福祉系の学生は他国のソーシャルワーク実践にふれ、視野が広がったのではないでしょうか。そこには確かにソーシャルワークのセオリーのひとつを見ることができました。
ホテルに戻ったのは18時。ホテルは繁華街に近く、食べる場所には困りません。暖かな充実感とともに、ユッケビビンパを食べて英気を養い、明日に備えます。
以上、お疲れ様でした。