今日は真面目なお話です。
みなさんの周りには、仙台市から助成金をもらい、他大学の学生と一緒に、地域課題の解決に取り組んでいる大学生はいますか?
助成金を受けるためには、複数枚の助成申請書を記載し、審査をうけて(審査員は東北大学、東北学院大学などの教員や仙台市職員などです)審査が通らなければなりません。
今年度、地域生きいきプロジェクトという学生団体(心理福祉学科の有志学生と他大学の学生も参加)が応募をして助成金をうけて、現在地域課題解決に向けた取り組みを行なっています。
10月28日(金)にNPOサポートセンターで中間報告会が開催され、私も出席してきました。私は地域生きいきプロジェクトを立ち上げた前任者から引きつぎ、10年近く活動を側面的にサポートしてきました。もともと、地域生きいきプロジェクトは、学生の主体的な活動を育むために立ち上げました。
学生が活動を行う場合、「ゼミの活動」など教員が指導をしながら進めることがほとんどですが、地域生きいきプロジェクトは教員はほとんど指導しません。もちろん、地域の活動を行う際には地域住民の方や町内会、市民センターの皆様と教員が連携をとり、学生が安心して活動できる環境は作ります。でも活動の主体はあくまでも学生ですから、町内会との打ち合わせやイベント企画なども、すべて学生が行います。だから、メンバーの誰も私の許可を得ようとはしませんし、私も求めません。一度でも活動に指示的に口を出せば、学生たちの主体的な活動は損なわれてしまうからです。いろいろ心配なことはあるし、地域住民の方々との話し合いがうまくいかず、不満を感じる学生もいます。でも、それも学びなのです。
大学の中では、教員は学生のサポート役ですから、障壁になることは極めて少ないはずです(と思いたい🤣)。でも地域では違います、地域の主役はあくまでも地域住民です。それをサポートするのが学生ですから、学生が自分の立場を主張するのは筋違いです。活動を通して地域の皆さんに育てられ、躾けられて、大人になっていくわけです。
助成金の審査を受けた際、審査員から「大学の先生から指導を受けて進めるように」という注文がつき、今回は例外的に調査や分析等についてサポートしています。
中間報告会では、作業のプロセスを知っている者からすると、15分という制限のなかで、よくまとめ、わかりやすく事業の進捗を報告できたと思いました。
仙台市の助成金は市民の税金です。
学生だから「この程度しかできない」という言い訳は通用しません。
リーダー、副リーダーは心理福祉学科の4年生ですが、その重みをしっかり理解し、活動を進めています。一緒に報告会に参加していた尚絅大学の4年生を含め、地域活動を通して「人と関わる力」、「リーダーシップ」、「協力する力」、「他者をサポートする力」、「企画力」、「企画をプレゼンテーションする力」などが育ち、いわゆる「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」の成果は、しっかりと「第一希望に就職できた」」という未来につながっていまました。
どういう4年間を過ごすかは自分次第。何もしなくても時間は過ぎていくし、何かをしても同じように時間は流れていきます。
私の母は30歳を過ぎてから「大学院」に行くといった私に、「寝ていても時間は過ぎていくんだから、同じように時間を過ごすなら、やりたいことをやったほうがいい」と言いました。時々思い出す言葉です。
自分次第で人生はどうにでもなる、それを実感できるのは大学時代です。
地域活動は町内会など、多様な方々と一緒に行います。大学のルールは通用せず、地域の文化や伝統を踏まえて、地域の方と一緒に活動することが基本です。やりたいことができないこともあります。でもそれが、協働です。協働する力は人生のなかで最も必要とされる力の一つと言えます。
このブログを読んでくださっている方の多くは、高校生や一般の方だと思います。「自分にはできない」「やっても無駄」と、チャレンジすることを諦めている方がいたら、ぜひ一歩を踏み出してみませんか?私の大学には、チャレンジをサポートしてくれる仲間(教員)がたくさんいます。うまくいくことばかりではありませんが、人生は一度切り。なんでも面白がって、楽しんだもの勝ちですよ。
年度末には助成金の最終報告会があります。どれだけの成果が報告できるかわかりませんが、「学生だから」という言い訳をせず、精一杯地域課題の解決に、学生という強みを活かして取り組んでほしいものです。
(教員 志水 田鶴子)