今日は、卒業生インタビュー第7弾ということで、社会福祉法人ふれあいの森 障害者相談支援事業所 向日葵ライフサポートセンターに勤めていらっしゃる卒業生の及川さんにインタビューをさせていただきました。
教員:今日はありがとうございます。よろしくお願いいたします。
卒業生:よろしくお願いいたします。
教員:早速なんですが、及川さんは、この「向日葵ライフサポートセンター」に勤めて何年になるの?
卒業生: 卒業と同時なのでう〜ねん年目になります。(笑)
教員:頑張ってますねぇ。学生時代の思い出は何かありますか?
卒業生: 色々あります(笑)言えること、言えないこと含めて。一番は、国試のために先生の研究室でみんなと勉強したことはすごく思い出になっています。国試の受験の不安だったり、苦しさだったりをみんなで共有し励まし合いながら行えたことは、昨日のように思い出します。すごくありがたかったです。
教員: なんか、勉強のことを先に言っちゃうと。勉強熱心な学生に見えるけど(笑)。他に何かない。旅行とか、なにか。
卒業生: いや、結構勉強熱心な学生でしたよ(笑)。あの時は、震災もあったので旅行は難しかった記憶があります。朝まで友達と課題をやったり、授業の空き時間にステラマリスでお菓子を食べながら目的のない話をずーっとしていました。大学時代の友人とは今でも連絡を取り合っていますが、ステラ(ステラマリス:学食)で話したことはいつも話題になりますね。それと、課外授業を時々・・・。大学の近くに誘惑が色々あって(笑)、時間の使い方が上手になったのと気分転換の仕方を学びました。
ステラマリス
教員:なるほどなるほど。そこはあまり突っ込まない方がいいよね。確かにあのころは大変だった。で、勉強に励んでたっていうことにしておこう。それでなんだけど、そもそもうちを選んだ理由ってなんだったの?
卒業生: 医療ソーシャルワーカーになりたいと思っていたので、社会福祉士の資格取得したいと思って選びました。高校時代からホスピス医療に興味があり、死に直面した人が最後までその人らしい悔いがない生き方をしてもらえるサポートがしたいと思っていたので。
教員:そうですか。入ってみてどうでした?
卒業生: 友達は、1クラス?が30名程度の少人数なのでみんなすぐに仲良くなった気がします。先生も最初は怖い(笑)感じもしましたが、1人1人を気にかけてくれて何かあったらすぐに相談できたので、安心できる環境だったと思います。泣きながら先生のところに相談に行ったこともちゃんと覚えていますよ。
教員:確かに!そうなんだよね。研究室から出ると目が赤くて、何か研究室で私に説教されてたかのようで、他の先生方に勘違いされそうだった。こっちが泣きたかったよ(笑)。ほかに印象に残っていることは?
卒業生: 実習です。3年と4年で実習を経験しましたが、緊張、不安、何とも言えない思い出です。でも、先生方のサポートが本当に心強く、最後までやり遂げられました。すばらしい実習先を紹介していただき感謝しています。
教員:ほう。そのときの施設長にも聞かせたい? って、そのまま実習先に勤めたんだもんね。
卒業生: 施設長は知っていると思いますよ(笑)。そうですね。色々なことを今でも学ばせてもらっています。職場の環境にとても恵まれていると思います。頼りになる上司と優しい先輩にいつも助けてもらっています。施設長には、「いつまでも実習生じゃないんだよ」と常に言われていますが...
教員:確かに! 社会福祉士の他にも精神保健福祉士の資格ももっているよね。精神は、どんな理由なの?
卒業生: 私は入学した時、ちゃんと目標があったんです(笑)。でも、正直、授業の出席や課題をこなすことだけに精一杯になっていて、いつの間にか「医療ソーシャルワーカーになる」だけの目標になっていました。意地になっていたというか、そこしか見えなくなっていたというか...。4年生の実習時(精神保健福祉)、自宅に退院を希望する利用者の方がいらっしゃったんです。何度も利用者の方と家に行き、掃除を行い、自宅の状況を確認しました。「住むのは難しいとわかっているのに何故?」と思って実習指導者の方に質問したら、「失敗したら、また一緒に考えればいいだけだから。本人が家に帰ることをモチベーションに日々を過ごせたらいいと思う。そこに寄り添えるのが自分たちの仕事だと思うよ」という話をしてもらいました。元々、その人らしい生き方をサポートしたいという理由で資格取得を目指したことを思い出し、自分がやりたかったことをもう一度考えて資格取得を決めました。
教員:ほう。なるほど。なるほど。指導者の方も凄いねぇ。いい話じゃん。そうか。ターニングポイントだったんだ。そうねぇ。私たちが何かを決める訳じゃないもんね。利用者の方がどう考えているか、だもんね。やっぱり、その時の指導者の方は、スゴイ!
話は変わるけどさぁ、今はどんな仕事内容なの?
卒業生: 地域で生活している障害者の方、そのご家族の方などの相談に応じています。また、医療機関や行政機関とも連携しチームとして利用者さんの生活をサポートしています。
教員:そですかぁ。仕事をしていて難しいことってある?
卒業生:うーん。日々悩むことばかりですけど...。利用者が抱える課題や生きづらさってそれぞれだと思います。それらを上手く発信できない人や気づけない人に、どうやって向き合ってもらうかは結構悩みます。あとは、利用者が持っている力をどのように活かせるのか悩みます。
教員:学生時代のコメントとは違うねぇ(冗談!)。やりがいは?
卒業生:やめてください(笑)。やりがいは、支援する度合いが減っていくと嬉しくなります。私がいなくてもその人の生活が上手くいっているということなので。あとは相談してよかったと言ってもらえた時は、少しは役に立てているのかと思いますね。
教員:なるほど〜。なんか、ベテランの域に入ってきた?(笑) 今になってみて、大学生の時代にこんなことをしておけばよかったなんて思うことはある?
卒業生:そうですね...。ケースワークの基本や福祉制度などは当然学生時代に勉強しましたが、心理学についてはあまり勉強しなかったように思います。対人援助において傾聴、共感、受容はとても重要なものだと教わりました。利用者に安心感を与えラポール形成(信頼関係)にも繋がることも理解しています。でも、安心感を与えることが利用者の行動にどのように作用するのか根拠に基づいた形で知っていれば、工夫の仕様があると思います。人の心は目に見えないので...。
教員:将来はどんなふうになりたいとか思ってる?
卒業生:将来ですか...。最近は8050問題など、高齢者の支援機関との連携が増えています。障害のある方、または家族の方が感じる生きづらさはたくさんあるように感じてます。地域生活を支える支援者となりたいと思ってます。
教員:8年間の実践は、成長させるねぇ。っていうか、利用者さんに育ててもらってるって感じかなぁ。今となっては、実習指導者だもんね。今年は実習に行けなかったけど、来年また、後輩をお願いしますので。その際には“やさしく!”お願いしますね。それから、巡回している我々にも!
そろそろ終わりに近づいてきたんで...最後までありがとうございました。
及川さんも、体調に気をつけて、頼ってきた方々のため頑張ってください。
卒業生:はい、こちらこそありがとうございました。
事業所内では、こんな感じで仕事をしてますが、
ご自宅に訪問することも多いです!